
本記事はGrafana Labs blog の記事を翻訳し転載しています
2025 年 7 月 28 日 • 読了時間 8 分
Grafana 12.1 が正式にリリースされました !
この最新リリースでは、Grafana インスタンスの管理を簡素化し、アラート ルールの管理方法を必要なときに必要なアラートを見つけられるよう合理化するなど、多くの新機能が備わっています。
以下に、最新の Grafana リリースのハイライトの一部をご紹介します。本リリースにおけるすべての変更点についての詳細は、 変更履歴、または 新機能のドキュメント (What’s New) をご覧ください。
Grafana インスタンスの自動ヘルスチェック : Grafana Advisor
Grafana のすべてのエディションでパブリック プレビューを開始
私たちは常に運用上のオーバーヘッドを削減し、メンテナンスとトラブルシューティングの効率化に役立つ新たな方法を模索しています。そこで Grafana 12.1 では、Grafana インスタンスをスムーズかつセキュアに稼働させ続ける管理者を支援する監視ツールである Grafana Advisor が、パブリック プレビューになったことをお知らせいたします。
Grafana 12 で実験的機能として導入された Advisor は、Grafana サーバーのヘルス チェックを定期的に自動実行し、システムが最適なパフォーマンスを維持できるよう実用的なインサイトと推奨事項を提供します。
現在、Grafana Advisor はデータ ソース接続、プラグイン、SSO 設定の定期チェックを行っていますが、今後のリリースでその機能を拡張する予定です。
Advisor は Grafana Cloud ではデフォルトで有効になっています。Grafana OSS版 および Enterprise版 でこの機能を有効にするには、grafanaAdvisor トグルを使用します。詳細については、技術ドキュメントをご覧ください。
余計なノイズを削減するために整理されたアラート ビュー
アラートは、あらゆるオブザーバビリティ戦略において極めて重要な要素です。Grafana 12.1 のアラート機能の新機能を紹介します。再設計されたアラートルール 一覧ページでは、よりスケーラブルで直感的な方法でアラートを管理できるようになりました。
再設計されたアラートルール 一覧ページ
Grafana のすべてのエディションで一般提供開始
Grafana Alerting において、アラートルールは、アラートを発報すべきタイミングを示す一連の評価基準です。これらのルールは何百、何千に及ぶ可能性がありますが、最新の Grafana リリースでは、全面的に再設計されたアラートルール 一覧ページにより、それらをより簡単に閲覧できるようになりました。
全体として、新しいページはよりスムーズで高速、かつ柔軟なユーザー エクスペリエンスを実現しています。それぞれのユース ケースに対応した次の 2 つのビューを備えています。
- グループ ビューは名前空間ごとに整理されているため、探している特定のグループをドリル ダウンできます。
- リスト ビューでは、すべてのアラート ルールが一覧表示され、迅速な検索と簡単なフィルタリングが行えるように設計されており、最近パフォーマンスが改善されたことで、さらに効率性が大幅に向上しました。
また、アラートルールの管理という主要タスクに集中できるよう、インターフェイスも整理しました。rule name (ルール名)、location (場所)、type (タイプ)、state(状態)など、表示内容を最も重要な詳細に限定し、よりクリーンで合理化されたビューを作成しました。
さらに、アラートルール 一覧ページの新しいページネーション API は、アラートルールの管理を迅速かつ簡単にできるように設計されています。そのため、アラート設定を構造階層で確認したい場合でも、数千のアラートルールを迅速に検索しフィルタリングする必要がある場合でも、よりシンプルで合理化されたエクスペリエンスに気づくことでしょう。
Grafana Cloud ユーザー向けに、現在すべての Grafana Cloud インスタンスに新しいページを公開しています。Grafana OSS ユーザーの場合、このページにはfeature(機能) トグルからアクセスすることができます。有効にするには、Grafana 設定ファイル内の feature_toggles セクションで、alertingListViewV2 トグルを追加してください。
[feature_toggles]
alertingListViewV2 = trueGrafana を再起動すると、新しいルール の一覧ページが表示されます。
Prometheus から Grafana へのアラートルールのインポート
最近、データソース管理ルールを Grafana 管理アラートルールとして Grafana にインポートするサポートを追加しました。しかし、ruler が利用できない場合、ユーザーは既存の Prometheus ルールをインポートできませんでした。
そこで Grafana 12.1 では、同じ Alerting UI を使用して、Prometheus の YAML ファイルから直接ルールをインポートできるようになりました。
アクティブ時間間隔の導入
最後に、アラート機能の更新点として、設定した時間帯にアラートを無効化するミュート時間間隔 (mute time intervals) を、その用途により合致させるために、アクティブ時間間隔 (active time intervals) に名称変更しました。
これらの情報、および Grafana Alerting のその他の機能についての詳細は、ドキュメントをご覧ください。
より高い柔軟性と制御でデータのクエリとビジュアライゼーションを実現
特定のメトリクスを詳しく調べたり、複雑なダッシュボードを構築する場合でも、これらの新機能により、データを思い通りに簡単に探索できるようになります。
トレンドラインの トランスフォーメーション
Grafana のすべてのエディションで一般提供開始
Grafana において、トランスフォーメーションは、システムがビジュアライゼーションを適用する前にクエリが返したデータを操作するための強力な方法です。Grafana 12.1 では、新しいトランスフォーメーションとしてトレンドライン (別名: 回帰分析) を追加しています。
この新しいトランスフォーメーションは、線形回帰または多項式回帰といった数学関数を任意のデータ セットにあてはめ、元のデータ セットには含まれていない可能性のある特定時点の値を予測します。
言い換えれば、これは統計モデルで予測された値を含む新しい時系列データを作成するもので、特に、ばらつきの大きいデータの中から傾向を見つけ出そうとする際に役立ちます。
このトランスフォーメーションの例は Grafana Play で確認でき、詳細はドキュメントでお読みいただけます。
ビジュアライゼーション アクションにおけるカスタム変数への対応
Grafana のすべてのエディションで一般提供開始
ビジュアライゼーション アクションでカスタム変数を定義できるようになりました。
アクション (サポート チケットを作成するための API リクエストなど) をトリガーすると、それらの変数の入力するように求められます。これで、アクションがより動的でインタラクティブになり、ダッシュボードの設定を変更することなく、リアルタイムでリクエストを調整できるようになります。
この機能は、アラートのトリガー、API コールのフィルタリング、またはユーザー定義パラメーターの外部システムへの送信などを行う際に特に便利です。
ダッシュボード向けのサーバー設定可能なクイック時間範囲
Grafana OSS、Grafana Enterprise でご利用いただけます
Grafana のサーバー管理者は、ダッシュボードのタイムピッカーにカスタムの時間範囲プリセットを定義できるようになりました。これは、特定のコンテキストに基づいた期間を定常的に分析するチームにとって最適な機能です。

サーバー設定の [time_picker] quick_ranges を構成することで、監視しているデータに特化したサーバー全体のデフォルト値を設定できます。
[time_picker]
quick_ranges = """[
{"from":"now-6s","to":"now","display":"Last 6 seconds"},
{"from":"now-10m","to":"now","display":"Last 10 minutes"},
{"from":"now-25h","to":"now","display":"Last 24 hours"},
{"from":"now/w","to":"now/w","display":"This week"},
{"from":"now-1w/w","to":"now-1w/w","display":"Last week"}
]"""この機能の実現に貢献していただいたコミュニティ メンバーの Chris Hodges 氏に心から感謝いたします。
カスタム通貨フォーマットの強化
Grafana のすべてのエディションで一般提供開始
ダッシュボードに表示される内容をより詳細に制御できるよう、正確な財務値を表示したり、あるいはそれを丸めることが可能になりました。
以前の Grafana では、大きな単位の通貨値を自動的に丸めていました。たとえば、$1,235,667 は $1.24M に、$555,558 は $555.6K のように丸めていました。これはほとんどのビジュアライゼーションでうまく機能しますが、財務データでは正確な (まさにぴったりの) 値が求められることがあります。
そこで、この問題を解決するためにカスタム通貨フォーマットを強化しました。標準フォーマットの代わりに currency:financial:<unit(単位)> を使用することで、正確に完全な数値を表示できます。たとえば、currency:financial:$ を使用すると、1235667 のような大きな値が $1.24M ではなく $1,235,667 としてフォーマット調整されます。
この財務フォーマットは、次のような柔軟な記号の位置指定にも対応しています。
Prefix (デフォルト): currency:financial:$ を使用すると $1,235,667 と表示されます。
Suffix: currency:financial:€:suffixを使用すると 1,235,667€ と表示されます。
Microsoft Azure ユーザー向けのより堅牢な認証
Grafana のすべてのエディションで一般提供開始
Grafana は Microsoft の Entra Workload Identity に対応し、フェデレーション資格情報による認証能力を大幅に強化しました。このアップデートにより、OAuth フローが簡素化され、Microsoft Azure を活用する Grafana インスタンスのセキュリティが向上します。
Entra ID (旧称: Azure AD) 認証の設定に関する詳細は、ドキュメントをご覧ください。そして、Grafana コミュニティ メンバーの mehiglow 氏にはこの貴重な貢献に感謝いたします。
Grafana の拡張 : データ ソースの新機能
Grafana Labs では、データがどこにあっても、そのデータをクエリし、視覚化できるべきだと考えています。そのため、私たちは常に Grafana データ ソースのラインナップを拡大し、強化するよう努めています。
ここでは最新のアップデートをご紹介します。
LogicMonitor データの視覚化
LogicMonitor は、インフラストラクチャ監視、AIOps、IT 運用インサイトを提供するオブザーバビリティ プラットフォームです。現在パブリック プレビュー中の新しい LogicMonitor Devices Enterprise データソースを使用すると、Grafana Cloud または Grafana Enterprise 内で直接、 Device Instance Data のクエリと視覚化、および Devices、Datasources、Instancesの一覧表示が可能になります。
LogicMonitor Devices Enterprise データ ソースの使用法とインストールに関する詳細はドキュメントをご覧ください。また、Enterprise データ ソース全般については、こちらのガイドをご覧ください。
BigQuery データソースにおけるサービス アカウントの権限借用への対応
セキュリティ強化のため、Google はサービス アカウントの権限借用とサービス アカウント トークンの併用を推奨しています。たとえサービス アカウント トークンが侵害された場合でも、権限借用に関連付けられたサービス アカウントがなければ Google Cloud API へのアクセスに使用できないため、不正アクセスがはるかに困難になります。
この追加されたセキュリティ レイヤーが、私たちの BigQuery データソース 構成に対応するようになりました。これにより、トークンが侵害された際の不正アクセスから保護します。この機能は、一般提供を開始しています。

Grafana 向けの BigQuery データ ソースに関する詳細は、プラグイン カタログおよび最近のブログ記事でご確認いただけます。
Grafana についてもっと知るには?
Grafana のすべての新機能の詳細なリストについては、Grafana のドキュメント、Grafana の変更ログ、または新機能ドキュメントをご覧ください。
Grafana Labs コミュニティにご参加ください
Grafana Labs コミュニティ フォーラムにぜひご参加ください。新機能の経験を共有し、ベスト プラクティスについて議論して、これらの最新情報をワークフローに組み込むクリエイティブな方法をお探しください。皆様のインサイトとユース ケースは、Grafana エコシステムを強化していくために極めて重要だと考えています。
Grafana 12.1 にアップグレードするには?
Grafana 12.1 を今すぐダウンロードするか、Grafana Cloud にご登録いただき、すべての新機能を体験できます。Grafana Cloud では、実業務に役立つ永久無料プランと、あらゆるユース ケースに対応したプランをご用意しています。今すぐ無料の Grafana Cloud アカウントにサイン アップしてください。
当社の Grafana アップグレード ガイド では、以前のバージョンからアップグレードしてスムーズにアップグレードする手順について、ひとつひとつ丁寧にご案内しています。
コミュニティの皆様へ
Grafana コミュニティの皆様に心より感謝申し上げます。
プルリクエストから貴重なフィードバックにいたるまでの皆様の献身的な活動は、Grafana の継続的な改善に不可欠なものです。皆様の熱意と献身的な取り組みは、Grafana Labs が Grafana プラットフォームの革新と向上に粘り強く取り組む原動力となっています。
Grafana Cloud は、メトリクス、ログ、トレース、ダッシュボードなどを簡単に利用開始できるサービスです。豊富な機能を備えた永久無料プランと、あらゆるユース ケースに対応したプランをご用意しています。今すぐ無料でサイン アップを !





