
本記事はGrafana Labs blog の記事を翻訳し転載しています
2025 年 3 月 26 日 読了時間 9 分
当社のエンジニアリング チームは、今年 5 月の GrafanaCON で発表するオープンソースのデータ ビジュアライゼーション プラットフォームである次期メジャーリリース「Grafana 12」に向けて開発に取り組んでいますが、その前に新たに「Grafana 11.6」が正式リリースされました。このリリースには、多くの注目すべき点があります。
この最新のマイナー リリースでは、ワンクリック データ リンクやアクションなど、多くの新しいダッシュボード機能が備わり、セキュリティ、アラートなどに関する注目すべき機能更新も行われています。
以降では、Grafana 11.6 の主なアップデートをご紹介します。本リリースにおけるすべての変更点についての詳細を確認されたい方は、変更履歴、または 新機能 (What’s New) ドキュメントをご覧ください。
ダッシュボードとビジュアライゼーション機能の強化
ワンクリックでのデータ リンクおよびアクションの実行
Grafana のすべてのエディションで一般公開開始
Grafanaでデータを視覚化する際、データ リンクは、ソース パネルのコンテキストを維持しながら、他のパネル、ダッシュボード、外部リソースにリンクできる便利なツールです。
昨年、当社では Canvas ビジュアライゼーションの「ワンクリック データ リンク」と「アクション」をそれぞれパブリック プレビューで実験的に導入しました。ワンクリックのスイッチを有効にすると、1 回のクリックでデータ リンクを開いたり、アクションをトリガーすることができます。現在、これらの機能はどちらも一般公開されています。
一般公開への移行にともない、このワンクリック スイッチは、要素レベルでデータ リンクやアクションを設定できるダイアログ ボックスに移動しました。

Canvas に加えて、以下のビジュアライゼーション タイプもワンクリック データ リンクに対応するようになっています。
- 時系列
- 棒グラフ
- ローソク足
- 状態タイムライン
- ステータス履歴
- トレンド
- XY チャート
注 : ワンクリック データ リンクは 1 つしか設定できません。そのため、1 つを有効にすると、他のリンクではこの機能は自動的に無効になります。
11.6のリリース以降、以下のビジュアライゼーションのアクションも一般公開されるため、ダッシュボード パネルから基本的な認証なしで API 呼び出しができるようになりました。
- 時系列
- 棒グラフ
- ローソク足
- 状態タイムライン
- ステータス履歴
- テーブル
- トレンド
- XY チャート
アクションは、パネル エディター ペインの「データ リンクとアクション」セクション(以前は「データ リンク」セクション)にあります。
新たなデータ リンクとアクション機能の詳細については、技術ドキュメントをご覧ください。
テーブルビジュアライゼーションに新たに「アクション」セル タイプが追加
Grafana のすべてのエディションで一般公開開始
アクションでは、テーブル ビジュアライゼーションに「アクション」セル タイプが追加されました。これで、テーブル セルで直接アクションをトリガーできるようになりました。この機能強化により、外部ワークフローのトリガーなど、カスタム アクションをテーブル列内で直接定義できます。

Cron 構文を用いてアノテーションの時間範囲の管理機能が向上
Grafana のすべてのエディションで一般提供開始
アノテーションは、 データ ビジュアライゼーション内で特定のイベントが発生したことを示す手法です (Grafana 用の付箋のようなものと考えてください)。視覚化されたアノテーションにマウス カーソルを合わせると、イベントの説明とイベント タグ、および詳細情報が示された他のシステムへのリンクを加えられるテキスト フィールドが表示されます。
アノテーションを追加または編集する際に、クエリ タイプを「時間範囲」に設定することで、繰り返し時間範囲を設定できます。その後、希望する曜日と時間で「From」と「To」セクションを定義します。
Grafana 11.6 のリリースでは、Cron 構文を使用して、スケジュールをより詳細に設定できるようになりました。たとえば、「隔月の第 2 火曜日の 21:00」や「平日の 9 時〜 17 時」など、特定の期間を示す単一の時間範囲クエリを作成することが可能です。
この機能を試すには、アノテーションを作成し、「Advanced」スイッチをオンに切り替えます。

新たな時間範囲機能の詳細については、技術ドキュメントをご覧ください。
ジオマップの視覚化時のパフォーマンスが向上
Grafana のすべてのエディションで一般公開開始
ジオマップは、位置情報を含むデータをマップ上に表示する場合に利用する Grafana のビジュアライゼーション機能です。ジオマップでは、マーカー レイヤーと呼ばれる機能を使用して、データ ポイントを円、四角、三角形、星などのさまざまなマーカー形状で表示できます。
11.6 では、マーカー レイヤーのパフォーマンスを向上させるために、高性能インタラクティブ3D および 2D グラフィックのレンダリングを実現する JavaScript API「Web Graphics Library (WebGL)」に正式に移行しました。
この変更により、パフォーマンスと安定性が大幅に向上し、特に大規模なデータセットでは顕著に機能向上が見られます。たとえば、以下の GIF では、WebGL に切り替える前と後で 1,000 個のマーカー レイヤーがどのように表示されるかが確認できます。
WebGL 切り替え前 :

WebGL 切り替え後 :

ジオマップの詳細については、技術ドキュメントをご覧ください。
ダッシュボードの変数がすべてのトランスフォーメーションに対応
Grafana のすべてのエディションで一般公開開始
変数を使用することで、クエリを編集することなく、最も重要なデータをフィルタリングや検索できるようになり、Grafana ダッシュボードをより動的に機能させることができます。一方、トランスフォーメーションは、ビジュアライゼーションを適用する前に、クエリで返されたデータを操作できる Grafana のもう 1 つの便利な機能です。
以前のリリースでは、一部のトランスフォーメーションにダッシュボード変数が対応していました。今回、この機能は変数が使用できるすべてのトランスフォーメーションに追加されました。
トランスフォーメーションのすべてのテキスト入力フィールドで、変数構文を利用できます。

トランスフォーメーションでダッシュボード変数を使用すると、変数はデータにトランスフォーメーションが適用される前に自動的に補間されます。
詳細については、ドキュメントをご覧ください。
セキュリティ、アクセス、認証の更新
メトリクス データ ソースの LBAC
Grafana のすべてのエディションで試験版を提供
チームが多くの異なるデータ ソースを使用する場合、ダッシュボードでの共同作業が困難になる場合があります。これを解決するために、Grafana Mimir を使用して作成されたデータ ソース(メトリクス データ ソース)に対して、ラベル ベースのアクセス制御(LBAC)を順次提供開始いたします。
この機能により、ラベルに応じてメトリクスをフィルタリングすることで、データ ソースへのきめ細かなアクセス制御が可能になります。これで、管理者はチームごとのアクセス ルールを設定できるため、ユーザーは割り当てられたラベル権限に該当するデータのみクエリできるようになります。
主な機能は次のとおりです。
- 異なる LBAC ルールが適用された同じデータ ソースへのクエリをチームが閲覧できる機能
- API および UI を使用した設定
- 正しいカスタム ヘッダーに自動的に変換される簡素化された LBAC 表記
この機能を使用する際には、当社では以下のベスト プラクティスを推奨しています。
- LBAC ルールを持つチームにのみクエリ権限を付加し、デフォルトの
ViewerおよびEditorのクエリ権限を削除します。 - 初期設定では、各チームに対してできる限りルールを少なく定義し、ルールが互いに否定し合うのではなく、追加していくようにします。
- ルールを検証するには、Explore ビューで各ルールをテストします。このテストにより、特定のルールに対して返されるメトリクスを確認できます。
この機能の詳細については、技術ドキュメントをご覧ください。
APIキー の完全な廃止とサービス アカウントへの自動移行
Grafana では API キーが完全に廃止され、既存のすべての API キーは自動的にサービス アカウントに移行されました。ただし、ご安心ください。お客様による作業は必要ありません。API 連携は引き続きシームレスに機能し、セキュリティと管理機能の向上によるメリットが受けられます。
API キーをサービス アカウントに移行すると、実際には次のようなメリットがあります。
- ロールベースのアクセス制御 (RBAC): ロール (閲覧者、編集者、管理者など) を割り当て、特定のチームにアクセス権限を制限してセキュリティを強化できます。
- 監査に役立つ自動化機能 : サービス アカウントは Grafana の ID 管理システムと統合されているため、すべてのアクションがログに記録され、追跡とコンプライアンスの強化に役立ちます。
- シームレスなトークン ローテーション : サービス アカウントごとに複数のトークンを簡単に管理でき、ダウンタイムのないスムーズなローテーションが可能です。
詳細については、このブログ記事およびドキュメントをご覧ください。
Grafana プラグイン向けの標準化リンク
Grafana のすべてのエディションでパブリック プレビューを開始
Grafana のプラグイン カタログに、Grafana ユーザーとプラグイン開発者の双方にメリットのある大きな改善が行われました。プラグインの詳細ページに標準化リンクが導入されたことをお知らせします。
この変更により、ユーザーは開発者とより簡単に連絡を取り、プラグインを最大限に活用するために必要な重要な情報を得られるようになります。一方、開発者はコミュニティからより価値のあるフィードバックやサポートを受けることができます。
以前は、Grafana カタログのプラグインの詳細ページは、開発者が提供するカスタム リンクに依存していたため、情報の一貫性が欠けることがありました。これらは引き続き設定可能ですが、問題の提起や、プラグインがオープンソースである場合はソース コード リポジトリへの移動など、主要な要素に対する標準リンクで拡張されるようになりました。

プラグイン開発者の皆様は、カタログでプラグインを表示して、推論されたリンクを確認することをお奨めします。詳細については、ドキュメントをご覧ください。
新しいアラート機能
Grafana のすべてのエディションで一般提供開始
最後に、Grafana 11.6 には、Grafana Alerting で次のような新たな機能が追加されています。
- Jira Service Management の連絡先への対応 : 最近の OpsGenie の廃止にともない、Grafana Alerting は、Grafana が管理する連絡先として Jira Service Management に対応しました。OpsGenie の連絡先情報を Jira Service Management に更新することで、重要なアラートを見逃すことはありません。
- アラート ルールのバージョン履歴 : Grafana 管理のアラートが、バージョン履歴に対応しました。Grafana 管理のアラート ルールの「アラート詳細」ビューに移動し、「バージョン」タブをクリックするだけで、アラートの過去のバージョンを表示、比較、復元できます。
Grafana の詳細
Grafana のすべての新機能の詳細なリストについては、Grafana のドキュメント、Grafana の変更履歴、または新機能ドキュメントをご覧ください。
Grafana Labs コミュニティへの参加のおすすめ
Grafana Labs コミュニティ フォーラムへのご参加をぜひご検討ください。新機能の体験を共有し、ベスト プラクティスについて議論して、これらの最新情報をワークフローに組み込むクリエイティブな方法をお探しください。皆様の知見とユースケースは、Grafana エコシステムの充実に極めて重要だと考えています。
Grafana 11.6 へのアップグレード
Grafana 11.6 を今すぐダウンロードするか、Grafana Cloud にサイン アップして、最新の機能をすべてお試しください。今すぐ無料の Grafana Cloud アカウントにサイン アップしてください。
当社の Grafana アップグレード ガイド では、以前のバージョンからアップグレードしてスムーズに移行したい方のために、ステップ バイ ステップの手順もご案内しています。
コミュニティの皆様へ
Grafana コミュニティの皆様に心より感謝申し上げます。
プル リクエストから貴重なフィードバックに至るまでの皆様の献身的な活動は、Grafana の継続的な改善に不可欠なものです。皆様の熱意と献身的な取り組みは、Grafana Labs が Grafana プラットフォームの革新と向上に粘り強く取り組む原動力となっています。
Grafana Cloud は、メトリクス、ログ、トレース、ダッシュボードなどを簡単に利用開始できるサービスです。豊富な機能を備えた永久無料プランと、あらゆるユース ケースに対応したプランをご用意しています。今すぐ無料でサイン アップを !
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